国の「献血推進計画」とは?2026年度の確保目標は224万リットル
公開 2026/08/22・更新 2026/09/05
- 血液法にもとづき厚生労働省が毎年度告示。令和8年度計画は2026年2月27日告示(厚生労働省告示第58号)、4月1日適用
- 需要見込み:赤血球製剤52万L、血漿製剤26万L、血小板製剤17万L
- 確保目標:計224万L=全血採血134万L+成分採血90万L(血漿成分60万L・血小板成分30万L)
- 施策:若年層への働きかけ(はたちの献血、初回献血者の再献血促進)、献血しやすい環境(託児スペース等)、企業・学校との連携
- 都道府県も推進計画を策定。需給計画(製剤の製造・供給量)とセットで安定供給を支える
献血推進計画とは
血液法(安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律)にもとづき、厚生労働省は毎年度「献血の推進に関する計画」を告示します。令和8年度(2026年度)の計画は2026年2月27日告示(厚生労働省告示第58号)、4月1日から適用。医療で必要になる血液の量を見積もり、それを確保するための施策を国レベルで定める、いわば献血の年間事業計画です。計画は血液事業部会(厚生労働省の審議会)での議論を経て策定され、全文は厚生労働省のサイトで公開されています(血液法とは)。
2026年度の数字
| 区分 | 量 | 解説 |
|---|---|---|
| 需要見込み:赤血球製剤 | 52万L | 手術、出血、貧血の治療に使う量 |
| 需要見込み:血漿製剤 | 26万L | 新鮮凍結血漿として輸血に使う量 |
| 需要見込み:血小板製剤 | 17万L | 白血病・がん治療などに使う量 |
| 確保目標:全血採血 | 134万L | 200mL・400mL献血で集める量 |
| 確保目標:成分採血(血漿) | 60万L | 血漿成分献血で集める量。血漿分画製剤の原料も含む |
| 確保目標:成分採血(血小板) | 30万L | 血小板成分献血で集める量 |
| 確保目標:合計 | 224万L | 年間延べ約500万人の献血で満たす計算 |
確保目標が需要見込みの合計(95万L)より大きいのは、血漿分画製剤の原料血漿の確保や、検査・製剤化の工程で生じる分、期限切れの余裕分を見込んでいるためです。全血134万Lを400mLで割ると約335万回、成分90万Lは1回あたり最大600mLで150万回以上に相当し、延べ約500万人という献血者数と整合します(献血者数の統計)。
計画に書かれている「集め方」
- 若い世代へのはたらきかけ:「はたちの献血」キャンペーン(1〜2月)や学校での啓発、大学・専門学校での献血の推進。2026年度は「初めて献血した年度のうちにもう1回献血した人は、その後も続けやすい」という研究をふまえた取り組みの検討が新たに盛り込まれました。まさに習慣化が鍵ということです(無理なく続ける頻度)。
- 献血しやすい環境づくり:子育て世代に対応した託児スペースの整備、献血ルームの利便性向上、予約システム(ラブラッド)の活用などが、採血事業者(日本赤十字社)の取り組みとして挙げられています(子連れ献血)。
- 企業・団体との連携:職場での団体献血、献血推進に協力する企業の認定・顕彰(団体献血の申込み)。
- 普及啓発:献血の日(8月21日)、愛の血液助け合い運動(7月)、世界献血者デー(6月14日)などの機会を使った広報。
- 安全な献血の確保:献血者の健康の保護、問診・検査の充実、献血後の健康被害への対応。
- 複数回献血・成分献血の推進:血小板製剤の安定供給のため、血小板成分献血への協力を呼びかけ。
需給計画とセットで動く
献血推進計画が「どれだけ集めるか」なら、同じく血液法にもとづく「血液製剤の安定供給に関する計画」(需給計画)は「どれだけ製造し供給するか」を定めます。輸血用血液製剤と血漿分画製剤の需要見込み、国内で確保する原料血漿の量、輸入に頼る製剤の見込みなどが示され、国内自給率の目標もここで議論されます。2つの計画が対になって、献血から製剤の供給までが計画的に運営されています(血液製剤の種類と自給率)。
都道府県の献血推進計画
国の計画を受けて、各都道府県も献血推進計画を策定します。県内の医療機関の需要、献血ルームや献血バスの配置、学校・企業への働きかけ、若年層向けのキャンペーンなど、地域の実情に合わせた目標と施策が定められます。献血バスの運行スケジュールや、県ごとのキャンペーン・記念品が異なるのは、この県別の計画と血液センターの運営によるものです(献血バス日程の調べ方・記念品の仕組み)。
「計画があるから安定する」
血液は貯めておけないため(赤血球28日・血小板6日)、需要の見積もりと確保目標を毎年引き直すこの仕組みが、輸血医療の安定を根っこで支えています。計画があるからこそ、血液センターは月ごと・週ごとの目標を立て、不足しそうな時期に協力を呼びかけ、余剰になりそうな型の受け入れを調整できます。献血者から見れば「断られる日がある」「特定の型や種類を呼びかけられる」のは、この計画に沿った運用です(血液の有効期間・在庫調整の仕組み)。
献血者にとっての意味
224万リットルという目標は、延べ約500万人の一人ひとりの献血の積み重ねです。計画は「誰かがやってくれる」ものではなく、あなたの年2〜3回の献血が数字の中に入っています。特に若い世代の初回献血と、その年度内の2回目が、計画の重点になっています。計画の全文は厚生労働省のサイトで公開されており、毎年2〜3月に翌年度分が告示されます(献血が不足しやすい時期)。
よくある質問
Q. 献血推進計画とは何ですか?
A. 血液法にもとづき厚生労働省が毎年度告示する、献血確保の国家計画です。令和8年度は全血134万L+成分90万Lの計224万リットルの確保を目標としています。
Q. なぜ毎年計画を作るのですか?
A. 血液は長期保存できず、医療需要も変動するためです。需要見込みと確保目標を毎年引き直すことで安定供給を支えています。
Q. 確保目標が需要見込みより多いのはなぜですか?
A. 血漿分画製剤の原料血漿の確保や、検査・製剤化の工程で生じる分、期限切れの余裕分を見込んでいるためです。
Q. 計画には何が書かれていますか?
A. 需要見込みと確保目標のほか、若年層への働きかけ、献血しやすい環境づくり、企業・学校との連携、普及啓発、献血者の健康保護などの施策が書かれています。
Q. 都道府県にも計画がありますか?
A. あります。国の計画を受けて各都道府県が献血推進計画を策定し、地域の実情に合わせた目標と施策を定めます。献血バスの配置やキャンペーンが県ごとに異なるのはこのためです。
Q. 2026年度の新しい取り組みは?
A. 初めて献血した年度のうちにもう1回献血した人はその後も続けやすいという研究をふまえ、初回献血者の再献血を促す取り組みの検討が新たに盛り込まれました。
次にすること
関連ガイド
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