血液の有効期間は赤血球28日・血小板6日|献血が毎日必要な理由
公開 2026/08/22・更新 2026/10/10
- 赤血球製剤:採血後28日(2〜6℃で保存)。2023年3月採血分から21日→28日に延長
- 血小板製剤:採血後6日(20〜24℃で振とう保存)。細菌スクリーニング導入で2025年7月末供給分から4日→6日に延長
- 新鮮凍結血漿:採血後1年(−20℃以下で凍結)。採血後6か月以上貯留保管してから供給
- まれな血液型の赤血球は−80℃以下で凍結保存し、保存期間10年のものもある
- 全国で1日平均約3,000人が輸血。血液は作れず貯められないため、毎日の献血が必要
血液製剤の有効期間(現行)
| 製剤 | 有効期間 | 保存条件 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| 赤血球製剤(赤血球液-LR) | 採血後28日 | 2〜6℃で冷蔵 | 手術、出血、貧血 |
| 血小板製剤(濃厚血小板-LR) | 採血後6日 | 20〜24℃で水平に振とう | 白血病、がん化学療法、大量出血 |
| 新鮮凍結血漿(FFP-LR) | 採血後1年 | −20℃以下で凍結 | 凝固因子の補充、大量出血 |
| 照射解凍赤血球液(まれな血液型など) | 凍結保存で最長10年、解凍後は短期間 | −80℃以下で凍結 | まれな血液型の患者さん |
血漿は凍結で1年もちますが、赤血球は約1か月、血小板にいたっては1週間もちません。
有効期間が延びた経緯
- 赤血球製剤:以前は21日間でしたが、保存液の改良などにより2023年3月採血分から28日間に延長されました。1週間延びたことで、期限切れの廃棄が減り、在庫の調整がしやすくなりました。
- 血小板製剤:常温保存で細菌が増えるリスクがあるため長らく4日間でしたが、製剤ごとに細菌の有無を調べる細菌スクリーニング検査の導入に伴い、2025年7月末の供給分から6日間に延長されました。初流血除去(2006〜2007年導入)と合わせた二段構えの細菌対策の成果です(初流血除去とは)。
延長は「安全を確認できる技術が整ったから」実現したもので、安全を犠牲にして延ばしたわけではありません。
なぜ血小板はこんなに短いのか
血小板は冷やすと機能が落ち、凍結もできないため、20〜24℃の常温で保存するしかありません。しかもじっとしていると凝集しやすいので、水平にゆっくり揺らし続けます(振とう保存)。常温は細菌にとっても増えやすい温度で、採血時にわずかに混入した細菌が日を追って増殖するリスクがあります。このため有効期間は6日と短く、白血病や抗がん剤治療で毎週血小板輸血が必要な患者さんは、毎週の献血によって支えられています(血小板献血とは・製剤ごとの温度管理)。
「作れない・貯められない」から毎日必要
血液は人工的に作ることができず、上記のとおり長期保存もできません。血液センターの説明では、全国で1日に平均約3,000人が輸血を受けています。手術や治療は毎日行われるので、血液も毎日、途切れずに集める必要があるのです。年間の延べ献血者約499万人(令和7年)を365日で割ると1日1万3,000人以上。この毎日の積み重ねが、28日と6日の有効期間の中で患者さんに届いています(人工血液はまだ作れない?・献血者数の統計)。
有効期間が「断られる日」を生む
「血液不足」と聞くのに献血を断られることがあるのは、この有効期間のためです。多めに集めても期限内に使い切れなければ廃棄になるため、血液センターはその日・その型・その種類の必要量に合わせて受け入れを調整します。断られた日は「その型の血液が足りている日」で、献血者全体の努力の成果でもあります。逆に、夏や年末年始など献血者が減る時期は、数週間後の在庫に直接響きます(血液不足なのに断られる理由・献血が不足しやすい時期)。
血液が患者さんに届くまで
献血された血液は、血液センターで血液型・感染症の検査(NAT検査を含む)を受け、成分ごとに分けられて製剤になり、検査に合格したものだけが保管・供給されます。医療機関の求めに応じて365日24時間供給される体制がとられています。採血から供給まで数日かかるため、有効期間28日の赤血球製剤が医療機関で使える期間は実質3週間ほど、6日の血小板製剤は数日です(献血された血液はどう使われる?・NAT検査とは)。
だから「思い立った日」が献血日和
有効期間が短い以上、「今は足りてそうだから」と皆が控えると、すぐに不足します。逆に災害直後に殺到した血液は、期限内に使い切れないことがあります。不足しやすい時期を知って、定期的な習慣にするのが一番の支えになります。ラブラッドの協力依頼を受け取る設定にしておくと、自分の型・種類が必要なときに知らせが届きます(無理なく続ける頻度・災害時の献血)。
よくある質問
Q. 献血された血液はどのくらい保存できますか?
A. 赤血球製剤は採血後28日間、血小板製剤は採血後6日間、血漿製剤は凍結して採血後1年間です(日本赤十字社の現行基準)。
Q. 血小板の有効期間はなぜそんなに短いのですか?
A. 血小板は20〜24℃の常温で揺らしながら保存する必要があり、冷やすと機能が落ち凍結もできません。常温は細菌も増えやすいため短く設定されています。2025年7月に細菌スクリーニング検査の導入とあわせて4日間から6日間に延長されました。
Q. 赤血球の有効期間はいつ延びましたか?
A. 2023年3月採血分から、21日間が28日間に延長されました。
Q. 毎日どのくらいの人が輸血を受けていますか?
A. 血液センターの説明では、全国で1日に平均約3,000人が輸血を受けています。
Q. 血液を凍らせて長く保存できないのですか?
A. 血漿は凍結して1年保存できますが、赤血球は通常の冷凍では壊れ、血小板は凍結できません。まれな血液型の赤血球だけは特殊な方法で−80℃以下に凍結保存し、10年保存できるものもあります。
Q. 有効期間が短いのに、なぜ献血を断られることがあるのですか?
A. 多めに集めても期限内に使い切れなければ廃棄になるため、その日・その型・その種類の必要量に合わせて受け入れを調整しているからです。
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