ピルを飲んでいても献血できる?目的で決まる公式ルール
公開 2026/08/22・更新 2026/10/10
- 低用量・中用量ピル、女性ホルモン製剤は当日服用していても献血可(血液センターの服薬基準)
- 献血できる目的:避妊、更年期障害・月経困難症などのホルモン補充療法、月経周期の変更
- 月経困難症治療のLEP製剤(ヤーズ、ヤーズフレックス、ルナベル、ジェミーナ、フリウェル等)も対象
- 病気の治療用ホルモン薬(ステロイドホルモン剤、性ホルモン剤、タンパク同化ホルモン剤)は治療終了後1か月延期
- アフターピルは扱いが異なる場合あり。服用日と薬名を問診で伝え健診医の判断を
公式ルール:低用量ピルは服用中でも献血できる
岩手県赤十字血液センターの「薬の服用と献血ができるまでの期間」では、低用量ピルは「当日服用していても採血できる対象薬」に分類され、「バースコントロール」「更年期・月経困難症等のホルモン補充療法」の場合は献血できると明記されています。大阪府赤十字血液センターの案内でも「低用量・中用量ピル・女性ホルモン製剤(避妊、更年期障害、月経困難症、月経周期変更の場合は献血可能)」とされ、同センターの公式FAQは「低用量ピルについては、服用していても献血にご協力いただくことが可能です。体調に問題なければ、ご協力をお願いします」と明言しています。日本赤十字社の公式Q&Aでも「少量の女性ホルモン・避妊薬」は服用中でも原則協力できる薬に含まれています。
カギは「服用目的」
| 目的 | 献血 | 薬の例 |
|---|---|---|
| 避妊(バースコントロール) | 当日服用でも可 | トリキュラー、マーベロン、ラベルフィーユ、ファボワール、アンジュ、シンフェーズなど |
| 月経困難症・子宮内膜症の治療(LEP製剤) | 当日服用でも可 | ヤーズ、ヤーズフレックス、ルナベル、フリウェル、ジェミーナ、ドロエチなど |
| 更年期障害のホルモン補充療法(HRT) | 当日服用でも可 | エストラーナ、ル・エストロジェル、ジュリナ、プレマリンなど |
| 月経周期の変更(旅行・試験のための移動) | 当日服用でも可 | 中用量ピル(プラノバールなど) |
| 病気の治療としてのホルモン薬 | 治療終了後1か月延期 | ステロイドホルモン剤(プレドニン等の内服)、性ホルモン剤(治療目的)、タンパク同化ホルモン剤 |
| 緊急避妊薬(アフターピル) | 扱いが異なる場合あり | レボノルゲストレル製剤(ノルレボ等)。服用日と薬名を問診で伝え健診医が判断 |
同じ「ホルモンの薬」でも、避妊やホルモン補充が目的なら可、病気の治療が目的なら1か月延期と扱いが分かれます。ジェネリックも同じ成分なら同じ扱いです。問診では「薬の名前」と「何のために飲んでいるか」をセットで伝えてください。
ミレーナ・ホルモン注射・避妊リングなど
- ミレーナ(子宮内黄体ホルモン放出システム):装着中の献血を制限する記載は服薬基準にありません。避妊・月経困難症目的のホルモン剤として、問診で装着中であることを伝えれば判断されます。
- 銅付加IUD(避妊リング):ホルモンを含まないため、薬の区分では問題になりません。
- ホルモン注射(子宮内膜症治療のGnRH製剤など):病気の治療用ホルモン薬として扱われる可能性があるため、問診で薬名と目的を伝えてください。
- プラセンタ注射:ヒト由来プラセンタ製剤(ラエンネック・メルスモン)は、2026年10月1日から最終使用日から3か月あければ献血できます(それまでは期間を定めず献血をご遠慮いただいていました)(プラセンタ注射と献血)。
ピルと献血、体への影響は?
低用量ピルには血栓症のリスクをわずかに上げる副作用が知られていますが、献血がそのリスクを高めるという公式の見解はなく、血液センターは体調に問題なければ協力をお願いすると案内しています。献血後は水分補給を続け、長時間同じ姿勢でいることを避けるなど、通常の献血後の注意を守れば十分です。ピルを飲み始めたばかりで体調が不安定な時期(吐き気、不正出血など)は、体調面で見送るほうが無難です。
生理・ヘモグロビンとの関係
ピルを飲んでいる方は生理の周期が安定し、経血量が減ることが多いため、ヘモグロビンの面ではむしろ献血しやすくなる傾向があります。ただし休薬期間中の出血(消退出血)の時期は鉄分が失われるので、その直後の献血でヘモグロビン基準(400mLは女性12.5、200mLは12.0g/dL以上)に届かないことはあります。消退出血が終わって1週間以上たった時期に予約すると安定しやすいでしょう(生理中の献血・ヘモグロビンが足りないと言われたら)。
当日のポイント
- お薬手帳か薬のシートを持参し、問診で薬名と目的を正確に申告する。
- ピル以外の薬を併用している場合はそちらの基準も確認する(鎮痛薬は当日服用していなければ可、血小板献血は3日など)。
- 体調がよければ当日の服用を止める必要はない。飲み忘れは避妊効果に影響するので、献血のために服用を変えない。
- 問診の内容はプライバシーが守られ、口頭で読み上げられることはない。
最終的な可否は当日の健診医が判断しますが、「ピル=献血できない」は誤解です。薬の分類全体は「薬と献血の一覧」、女性に関わる条件は「女性の献血ガイド」へ。
よくある質問
Q. 低用量ピルを毎日飲んでいますが献血できますか?
A. できます。避妊・更年期障害・月経困難症のホルモン補充療法・月経周期変更が目的なら、当日服用していても献血可能と血液センターが公式に案内しています。
Q. 月経困難症の治療でヤーズやルナベルを処方されています。
A. 月経困難症などのホルモン補充療法目的は「献血できる」区分です。LEP製剤も対象なので、問診で薬名と目的を伝えてください。
Q. ホルモンの薬なら何でも大丈夫ですか?
A. いいえ。病気の治療用ホルモン薬(ステロイドホルモン剤・性ホルモン剤など)は治療終了後1か月間の延期区分です。目的によって扱いが変わるため、問診で正確に申告を。
Q. アフターピルを飲んだ後は献血できますか?
A. 緊急避妊薬は通常の低用量ピルと扱いが異なる場合があります。服用した薬名と日付を問診で伝え、健診医の判断を仰いでください。
Q. ミレーナを入れていても献血できますか?
A. 装着中の献血を制限する記載は服薬基準にありません。避妊・月経困難症目的のホルモン剤として、問診で装着中であることを伝えてください。
Q. 献血の日はピルを飲まないほうがいいですか?
A. 飲んで構いません。避妊目的などなら当日服用でも献血できます。飲み忘れは避妊効果に影響するため、献血のために服用を変えないでください。
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