薬を飲んでいても献血できる?薬の種類別の可否と期間の一覧
公開 2026/06/10・更新 2026/10/10
- 当日服用していても可:ビタミン剤(ビタミンK除く)、漢方薬、胃腸薬、降圧薬(血圧が安定していれば複数剤でも)、市販の花粉症薬、痛風薬、脂質異常症薬、低用量ピル、便秘薬、点眼・点鼻・塗り薬
- 当日服用していなければ可:睡眠薬・抗不安薬、解熱鎮痛薬(ロキソニン等。血小板献血は3日)
- 最終服薬日を含む3日間は不可:抗生剤・抗ウイルス薬・抗真菌薬、抗うつ薬などの向精神薬、下痢止め、ステロイド含有アレルギー薬、チャンピックス
- 病気の観点で不可:糖尿病薬、抗凝固薬、抗血小板薬、抗けいれん薬、抗不整脈薬、抗甲状腺薬、心不全薬
- 延期期間あり:ステロイド・治療用ホルモン1か月、免疫抑制薬1か月、抗がん剤5年、フィナステリド1か月、デュタステリド6か月、プラセンタ注射(ラエンネック・メルスモン)は最終使用日から3か月(2026年10月1日から。それまでは期間を定めず献血をご遠慮)
判断の基本:「薬」と「原因の病気」の2軸
献血の可否は、薬の成分が輸血を受ける患者さんに影響しないか(例:胎児への影響が指摘されるAGA治療薬)と、薬を必要とする病気が献血者自身の体に負担にならないか(例:心臓病、糖尿病)の2つの観点で決まります。血液センターの資料は「お薬を服用されていても、種類や服用期間により、献血ができる場合があります」とし、「健診医師が健康状態等を考慮し総合的に判断」すると明記しています。以下の表は岩手県赤十字血液センター「薬の服用と献血ができるまでの期間について」(2022年11月版)と大阪府赤十字血液センターの案内にもとづく主な薬の区分で、後発品も同じ成分なら同じ扱いです。
区分1:当日服用していても献血できる薬
| 種類 | 注意 |
|---|---|
| ビタミン薬・ミネラル剤 | ビタミンK、貧血治療薬(鉄剤)を除く |
| 漢方薬 | 肝炎治療のための服用を除く |
| 抗アレルギー薬(市販の花粉症・鼻炎薬を含む) | ステロイド含有薬(セレスタミンなど)は最終服用日を含む3日間不可 |
| 痛風・高尿酸血症治療薬(ザイロリック、フェブリクなど) | 発作治療薬コルヒチンは3日間不可 |
| 脂質異常症(高脂血症)治療薬 | 抗PCSK9抗体(レパーサ)は3か月間不可 |
| 胃腸薬 | 原因となる病気の状態で判断 |
| 低用量・中用量ピル、女性ホルモン製剤 | 避妊、更年期障害・月経困難症のホルモン補充療法、月経周期変更が目的なら可(ピルと献血) |
| 局所投与の薬(点鼻・点眼・吸入・外用) | 心疾患・ぜんそく・COPD・感染症など、症状や使用目的により不可の場合あり |
| 緩下剤(便秘薬) | 副交感神経興奮薬(ワゴスチグミンなど)は3日間不可 |
| 降圧薬 | 合併症がなく血圧がコントロールされていれば複数剤でも可。服用開始直後や量の変更直後は慎重に判断(血圧と献血) |
| 前立腺肥大症治療薬(ハルナール、ユリーフなど) | アボダート・アボルブ(6か月)、プロスカー・プロペシア(1か月)は除く |
| 禁煙補助薬(貼り薬・ガム) | 内服薬チャンピックスは3日間不可 |
区分2:当日服用していなければ献血できる薬
| 種類 | 注意 |
|---|---|
| 睡眠薬・抗不安薬(マイスリー、ハルシオン、デパス、ソラナックス、レキソタン、リーゼなど) | 当日服用していなければ可。症状がある場合は採血せず、体調を考慮して判断(睡眠薬・抗不安薬・抗うつ薬と献血) |
| 解熱鎮痛薬・かぜ薬(ロキソニン、バファリン、ボルタレン、アスピリン、PL顆粒など。市販薬も同様) | 全血・血漿献血は当日服用していなければ可。血小板献血は最終服薬日を含む3日間不可(ロキソニン・アスピリンと献血) |
区分3:最終服薬日を含む3日間は不可(4日目から可)
| 種類 | 注意 |
|---|---|
| 向精神薬(抗うつ薬、抗精神病薬、抗そう薬、ADHD治療薬など) | 服薬が不要となり症状が安定していることが条件。服薬継続中は事実上不可 |
| 抗菌薬(抗生物質)、抗ウイルス薬、抗真菌薬 | 治癒していること。原因の病気により不可の場合あり |
| 止痢薬(下痢止め。ロペミンなど市販薬も) | 感染性下痢症の場合は別途判断 |
| 痛風発作治療薬(コルヒチン) | — |
| ぜんそく治療薬(β刺激薬、キサンチン誘導体) | 1か月以上発作がない場合に限る(持病と献血) |
| 解熱鎮痛薬(血小板献血の場合) | 血小板の機能に影響するため |
| ステロイド含有の抗アレルギー薬(セレスタミンなど) | — |
| 副交感神経興奮薬、禁煙補助内服薬(チャンピックス) | — |
区分4:原因となっている病気の観点で献血できない薬
治癒して服薬が不要になれば、あらためて判断されます。
| 種類 | 薬の例 |
|---|---|
| 抗けいれん薬 | デパケン、アレビアチン、フェノバールなど(てんかんと献血) |
| 抗凝固薬 | ワーファリン、エリキュース、プラザキサ、イクザレルト、リクシアナなど |
| 血小板凝集抑制薬 | バイアスピリン、プラビックス、ドルナーなど(血栓予防のアスピリン) |
| 抗甲状腺薬 | メルカゾール、チウラジール、プロパジールなど |
| 抗不整脈薬 | サンリズム、タンボコール、ワソラン、アミオダロンなど |
| 冠拡張薬(貼り薬含む) | ニトログリセリン、ニトロール、フランドルなど |
| 心不全治療薬 | ジゴキシンなど |
| 糖尿病治療薬(インスリンを含む) | ジャヌビア、トラゼンタ、フォシーガ、スーグラなど |
区分5:延期期間が決まっている薬・無期延期の薬
| 種類 | 延期期間 |
|---|---|
| 治療用ホルモン薬(ステロイドホルモン剤、性ホルモン剤、タンパク同化ホルモン剤) | 治療終了後1か月 |
| 免疫抑制薬(イムラン、セルセプト、プログラフなど) | 1か月。原因の病気が献血可能なものに限る |
| 抗がん剤 | 5年(がんの既往は治癒後5年。造血器腫瘍は不可) |
| 乾癬治療薬 | チガソンは無期延期、アキュテインは1か月、ソリアタンは3年 |
| AGA・前立腺肥大症治療薬 | デュタステリド(ザガーロ、アボダート、アボルブ、デュタス)は6か月、フィナステリド(プロペシア、プロスカー、フィンペシア)は1か月(AGA治療薬と献血) |
| 抗PCSK9抗体(レパーサ) | 3か月 |
| 特定薬物由来製品 | アルブミン、免疫グロブリン、フィブリノーゲン、トロンビンは3か月。抗HBsヒト免疫グロブリンは6か月。ヒト由来プラセンタ注射薬(ラエンネック、メルスモン)は2026年10月1日から最終使用日から3か月(2026年9月30日までは無期延期。日本赤十字社 2026年9月14日発表)(プラセンタ注射と献血) |
市販薬・サプリ・漢方・塗り薬の扱い
- 市販の花粉症薬・鼻炎薬:献血できます。ステロイド含有のものは3日間不可。
- 市販の解熱鎮痛薬・かぜ薬:処方薬と同じ扱い。当日服用していなければ可、血小板献血は3日。
- サプリメント:日本赤十字社の公式Q&Aで服用中でも原則協力できるとされています。鉄剤(貧血治療薬)は区分1の例外なので、貧血で処方されている場合は原因の病気の観点で判断されます。
- 漢方薬:肝炎治療のための服用を除き可。
- 塗り薬・湿布・点眼・点鼻:感染を伴わない場合に限り当日使用でも可。採血部位(ひじの内側)に皮膚病変があれば不可(傷・湿疹と献血)。
問診での伝え方
- お薬手帳か薬の現物・写真を持参する。薬名が正確にわかれば健診医の判断が速く正確になります。
- 薬の目的(何の病気に対する薬か)も伝える。同じホルモン薬でも、避妊目的の低用量ピルは可、治療目的のホルモン薬は1か月延期と扱いが違います。
- 最後に飲んだ日を思い出しておく。区分2・3は「当日」「最終服薬日を含む3日」で判断されます。
- 市販薬・サプリ・塗り薬も申告する。「処方じゃないから関係ない」ではありません。
せっかく行って見送りになるのを避けたい方は、事前にお近くの血液センターへ電話で薬名を伝えて確認しておくのが確実です。血液センターの資料も「詳しくは健診医師または受付職員にお尋ねください」と案内しています。
よくある勘違い
この一覧の限界
薬は後発品を含めて膨大にあり、この表は主な薬の区分です。基準は改定されることがあり、資料の版によって記載が異なる場合もあります。同じ薬でも原因となる病気の状態によって判断が変わるため、最終的な可否は当日の健診医が総合的に判断します。日本赤十字社の「献血をご遠慮いただく場合」と各血液センターの最新の服薬案内をあわせてご確認ください(献血できる条件の一覧・問診で聞かれること)。
よくある質問
Q. 薬を飲んでいても献血できますか?
A. 多くの薬は服用中でも原則可能です。ビタミン剤、胃腸薬、降圧薬、漢方薬、市販の花粉症薬、低用量ピルなどは当日服用していても献血できます。抗生剤は治癒していること、向精神薬は服薬が不要になり症状が安定していることが前提で、そのうえで最終服薬日を含む3日間は不可です。治療中・服薬継続中に3日空ければよいという意味ではありません。糖尿病薬や抗凝固薬は病気の観点で不可です。
Q. 風邪薬や頭痛薬を飲んだ後はいつから献血できますか?
A. 症状がなく当日服用していなければ、全血献血と血漿成分献血はできます。血小板成分献血だけは最終服薬日を含む3日間できません。
Q. 抗生物質を飲み終わった後はいつから献血できますか?
A. 最終服薬日を含む3日間は不可で、4日目から可能です。原因の病気が治癒していることが条件です。
Q. 血圧の薬を飲んでいても献血できますか?
A. 血圧が安定していて合併症がなければ、複数の降圧薬を飲んでいても献血できます。服用開始直後や量を変えた直後は慎重に判断されます。
Q. サプリメントや漢方薬は申告が必要ですか?
A. 申告してください。サプリや漢方薬は原則献血できますが、鉄剤(貧血治療薬)や肝炎治療のための漢方薬は別扱いです。
Q. 献血のとき薬は何を持っていけばいいですか?
A. お薬手帳か薬の現物・写真を持参し、薬名と目的、最後に飲んだ日を伝えられるようにしてください。初回は本人確認書類も必要です。
Q. 事前に献血できる薬か確認する方法はありますか?
A. 最寄りの血液センターに電話で薬名を伝えると確認できます。せっかく会場に行って見送りになるのを避けたい方におすすめです。
- 岩手県赤十字血液センター「薬の服用と献血ができるまでの期間」(PDF)(確認 2026/09/05)
- 大阪府赤十字血液センター「献血いただく前にご確認ください」(確認 2026/09/05)
- 日本赤十字社「よくあるご質問」(確認 2026/09/05)
- 厚生労働省「問診票についての解説」(PDF)(確認 2026/10/11)
- 日本赤十字社 プレスリリース「英国を含む欧州などの滞在歴に基づく献血制限の撤廃およびヒト胎盤エキス(プラセンタ)注射剤使用歴に関する献血基準を変更します」(2026年9月14日)(確認 2026/10/10)
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