血漿献血とは?時間・条件・血小板献血との違い・その血漿はどう使われるか
公開 2026/08/22・更新 2026/10/10
- 条件:18〜69歳(65〜69歳は60〜64歳に献血経験)、体重男性45kg・女性40kg以上、ヘモグロビン12.0g/dL以上(赤血球指数が標準域の女性は11.5以上)
- 1回の採血量は600mL以下(循環血液量の12%以内)で体重により変わる。採血40〜90分、全体1.5〜2時間
- 間隔は2週間。年間は血小板献血を2回換算して合計24回以内
- 血漿は新鮮凍結血漿(有効期間1年)と、アルブミン・免疫グロブリン・凝固因子などの血漿分画製剤の原料になる
- 赤血球を戻すため鉄分の喪失が少なく、女性や体重が軽めの人、成分献血デビューに向いている
血漿献血の仕組み
血液の約55%は血漿という液体成分で、水分のほかにアルブミン、免疫グロブリン、血液凝固因子などのたんぱく質を含んでいます。血漿献血では、腕に刺した1本の針から血液を成分採血装置に送り、遠心分離で血漿を分離して採血バッグに集め、赤血球・白血球・血小板を同じ針から体に戻します。回復に時間のかかる赤血球が体に戻るため、体への負担が軽く、血漿は約2日で回復します(血液は何でできている?)。
基準と所要時間
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 年齢 | 18〜69歳(65〜69歳は60〜64歳に献血経験のある方) |
| 体重 | 男性45kg以上、女性40kg以上 |
| ヘモグロビン濃度 | 12.0g/dL以上(赤血球指数MCV・MCH・MCHCが標準域にある女性は11.5g/dL以上) |
| 1回の採血量 | 600mL以下(循環血液量の12%以内)。体重などに応じて計算 |
| 採血時間 | 40〜90分(全血献血の採血は10〜15分) |
| 間隔 | 2週間後の同じ曜日から、次がどの種類でも可 |
| 年間回数 | 血小板献血1回を2回分に換算して、血漿献血と合計24回以内 |
血漿献血のヘモグロビン基準に「赤血球指数が標準域の女性は11.5」という例外があるのは、赤血球を体に戻すため鉄分の喪失が少ないからです。全血献血で基準に届かない女性でも、血漿献血なら協力できることがあります(ヘモグロビンが足りないと言われたら)。
血小板献血との違い
| 血漿献血 | 血小板献血 | |
|---|---|---|
| 採る成分 | 血漿(液体成分) | 血小板(出血を止める成分) |
| 年齢 | 18〜69歳 | 男性18〜69歳、女性18〜54歳 |
| 血小板数の基準 | なし | 15万/μL以上 |
| 採血時間 | 40〜90分(比較的短め) | 40〜90分(目標量により長め) |
| 年間回数の換算 | 1回=1回分 | 1回=2回分 |
| 痛み止めの影響 | 当日服用していなければ可 | 最終服薬日を含む3日間不可 |
| 主な用途 | 新鮮凍結血漿、血漿分画製剤の原料 | 血小板製剤(白血病・がん治療) |
| 保存 | 凍結して1年 | 常温振とうで6日 |
血漿献血は69歳まででき、血小板数の基準もなく、体への負担も比較的軽いため、成分献血デビューに向いています(血小板献血とは)。
血漿は「薬」になる
採った血漿の使い道は2つあります。
- 新鮮凍結血漿(FFP):採血後すぐに凍結し、大量出血や血液凝固因子が不足した患者さんの輸血に使う。有効期間は採血後1年。
- 血漿分画製剤の原料:血漿を成分ごとに分けて精製した医薬品。アルブミン製剤(やけど、肝硬変、ネフローゼなど)、免疫グロブリン製剤(免疫不全、川崎病、ギラン・バレー症候群など)、血液凝固因子製剤(血友病)、アンチトロンビン製剤など。
血漿分画製剤は、献血で採った血漿を製薬会社が精製して作る「血液由来の医薬品」です。日本の血液法は国内の献血による自給を基本としていますが、免疫グロブリンやアルブミンは需要が増えており、一部を輸入に頼っています。血漿は凍結保存できて長く持つため「足りている」と思われがちですが、原料としての需要は続いており、血液センターは血漿献血の協力を広く呼びかけています(献血からできる血液製剤の種類と国内自給・血液法とは)。
当日の流れと注意
- 受付・問診・血圧測定・ヘモグロビン測定。
- リクライニングベッドで片腕に針を刺し、装置が採血と返血を繰り返す。
- 返血に含まれる抗凝固剤(クエン酸)で口や指先がしびれたらすぐ伝える(クエン酸反応)。
- 終了後10分以上休憩。運転するなら30分以上。
受付から休憩まで1.5〜2時間。トイレは受付前に、水分は事前に。献血ルームのみで実施し、血漿献血の受付は全血より早く締まる会場が多いので予約がおすすめです(初めての成分献血)。
血漿献血が向いている人
- 成分献血を初めて試す人(血小板数の基準がなく、時間も比較的短め)。
- 55歳以上の女性(血小板献血は54歳まで)。
- 鉄分の喪失を抑えたい女性、体重が軽めで400mLの基準に届かない人。
- 血液型の在庫が足りていて全血献血を見送られた人(血漿は血液型別の在庫に左右されにくい)。
- 2週間ごとなど定期的に協力したい人。
「血漿と血小板のどちらがよいか」は、当日の血液の必要状況で会場から提案されることも多いので、受付でスタッフに相談してみてください(成分献血と全血献血の違い)。
よくある質問
Q. 血漿献血は何分かかりますか?
A. 採血自体が40〜90分ほどです。受付から休憩まで含めると1.5〜2時間ほど見ておくと安心です。
Q. 血漿献血と血小板献血はどちらが良いですか?
A. どちらも必要とされています。血漿献血は69歳までで血小板数の基準がなく、成分献血デビューに向いています。当日の血液の状態や在庫状況によって会場から提案されることも多いので、スタッフに相談してみてください。
Q. 血漿献血のあと、次はいつ献血できますか?
A. 男女とも2週間後の同じ曜日から、次がどの種類でも可能です。
Q. 血漿献血の採血量はどのくらいですか?
A. 600mL以下(循環血液量の12%以内)で、体重などに応じて計算されます。赤血球は体に戻すため、実際に失う血液成分は血漿のみです。
Q. 血漿は何に使われますか?
A. 新鮮凍結血漿として輸血に使われるほか、アルブミン・免疫グロブリン・血液凝固因子などの血漿分画製剤(血液由来の医薬品)の原料になります。
Q. 全血でヘモグロビンが足りなかった女性でも血漿献血はできますか?
A. 赤血球指数が標準域の女性は11.5g/dL以上で血漿献血ができるため、全血の基準に届かなくても協力できる場合があります。当日の検査で判断されます。
- 日本赤十字社「血漿成分献血について」
- 採血基準表(日本赤十字社・血液センター共通PDF)(確認 2026/09/05)
- 献血の間隔(血液センター共通PDF)(確認 2026/09/05)
次にすること
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