犬や猫に咬まれた後の献血は治癒後3か月|人は6か月
公開 2026/08/22・更新 2026/09/05
- ペットなど動物に咬まれた:傷の治癒後3か月
- 人に咬まれた:傷の治癒後6か月
- 起点は「傷が治癒した日」。咬まれた日からではない
- 動物に咬まれた後の狂犬病ワクチン:接種後1年。予防目的の事前接種は24時間。抗毒素(まむし・破傷風など)は3か月
- ひっかき傷は外傷として傷の状態で判断。化膿している傷は治ってから
公式ルール:動物は3か月・人は6か月
日本赤十字社は「動物または人に咬まれた方」について、ペット等の動物に咬まれた場合は傷が治癒してから3か月間、人に咬まれた場合は傷が治癒してから6か月間、献血をご遠慮いただくと定めています。犬、猫、ハムスター、ウサギ、フェレット、鳥、野生動物など動物の種類は問いません。人に咬まれた場合のほうが長いのは、人の口の中の細菌やウイルス(肝炎など)が血液を介して感染する可能性を考慮しているためで、ピアスやいれずみの6か月と同じ考え方です。
数え方:起点は「傷が治った日」
「治癒」は傷がふさがり、腫れや痛みがなくなった状態です。かさぶたが取れて皮膚が閉じた日を目安にし、判断に迷う場合は問診で経過を伝えてください。
狂犬病ワクチン・抗毒素を打った場合
| 状況 | 献血できない期間 |
|---|---|
| 動物に咬まれた後に発病阻止目的で狂犬病ワクチンを接種 | 接種後1年 |
| 予防目的で事前に狂犬病ワクチンを接種(渡航前など) | 接種後24時間 |
| 負傷して発病阻止目的で破傷風・ジフテリアの抗毒素(動物由来抗血清)を投与 | 投与後3か月 |
| 予防目的で破傷風トキソイドを接種 | 接種後24時間 |
| まむし・はぶなどの毒蛇の抗毒素 | 投与後3か月 |
咬まれた後の狂犬病ワクチンが1年と長いのは、狂犬病ウイルスに感染した可能性そのものを考慮しているためです。海外で犬に咬まれて現地でワクチンを打った、というケースは、帰国後4週間やマラリア流行地の制限とあわせて問診で伝えましょう(ワクチンと献血の一覧・海外渡航と献血)。
なぜ待機期間があるのか
咬み傷は動物や人の口の中の細菌・ウイルスが体に入る経路になり得ます。動物からはパスツレラ症、猫ひっかき病、狂犬病(海外)など、人からはB型肝炎などのリスクが知られています。感染してもすぐには検査で見つけられないことがあるため、傷が治ってからさらに一定期間をあけて安全を確かめる設計です。輸血を受ける患者さんは免疫力が落ちていることが多く、健康な人なら問題にならない細菌でも重い感染症を起こしうるため、慎重な基準になっています。
ひっかき傷・軽い傷の場合
咬まれていないひっかき傷は「外傷」として、傷の状態により判断されます。日本赤十字社は擦り傷や切り傷などがある場合、傷の状態によって献血をご遠慮いただくことがあると案内しています。小さく浅い傷で治っていれば通常は問題ありませんが、化膿している、赤く腫れている、採血部位(ひじの内側)にあるといった場合は見送りになります。猫のひっかき傷は猫ひっかき病の原因になることがあるので、傷が治ってから、発熱やリンパ節の腫れがないことを確認して来場してください(傷・湿疹と献血)。
虫刺され・蚊・ダニは別ルール
蚊やダニに「刺された・咬まれた」だけなら、原則として献血できます。ただしデング熱、ジカウイルス感染症、チクングニア熱、ウエストナイル熱などを発症した場合は治癒後1〜6か月の期間があります(蚊・ダニに刺されたら献血できない?)。
問診での伝え方
- いつ咬まれたか
- 傷がいつ治ったか(起点になる)
- どこで(国内か海外か。海外なら国名)
- ワクチンや抗毒素を打ったか(狂犬病、破傷風など)
この4点を伝えれば、健診医がすぐ判断できます。傷が化膿するなど感染の兆候があれば、献血より先に医療機関へ。動物に咬まれた直後は、傷をよく洗い、必要なら受診して破傷風の予防などを受けることが先決です(献血できる条件の一覧・問診で聞かれること)。
よくある質問
Q. 飼い猫に咬まれました。いつから献血できますか?
A. 傷が治癒してから3か月経過すれば献血できます(日本赤十字社の公式基準)。起点は咬まれた日ではなく傷が治った日です。
Q. 人に咬まれた場合は?
A. 傷が治癒してから6か月です。人の口の中の細菌やウイルスによる感染の可能性を考慮しています。
Q. 咬まれた後に狂犬病ワクチンを打ちました。
A. 接種後1年間は献血できません。予防目的の事前接種なら24時間です。
Q. ひっかき傷だけの場合は?
A. 外傷として傷の状態により判断されます。治っていて化膿や腫れがなければ通常は問題ありませんが、問診で状況を伝えて健診医の判断を仰いでください。
Q. 海外で犬に咬まれました。
A. 咬傷のルール(治癒後3か月)に加え、現地で狂犬病ワクチンを打った場合は接種後1年、帰国後4週間の渡航ルールも重なります。すべて問診で伝えてください。
Q. ハムスターや鳥に咬まれた場合も同じですか?
A. 同じです。動物の種類は問わず、傷の治癒後3か月です。
- 日本赤十字社「動物または人に咬まれた方」
- 厚生労働省「問診票についての解説」(PDF)(確認 2026/10/11)
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