海外旅行・渡航と献血|帰国後いつから献血できる?地域別の早見表
公開 2026/06/10・更新 2026/10/10
- 英国を含む欧州などの滞在歴による献血制限(vCJD対策)は2026年10月1日に撤廃。欧州に住んでいた・留学していた方も献血できるようになった
- 帰国・入国した当日から4週間以内は一律不可(行き先を問わない)。欧州からの帰国でもこのルールは残る
- マラリア流行地:旅行者は帰国後1年、1年を超える滞在者は3年、予防薬を飲んだ人は服用後3か月
- 中南米(シャーガス病):出生・育成、母や母方祖母が中南米出身、連続4週間以上の滞在・居住のいずれかで、離れてから6か月未満は不可
- 渡航前のワクチン(黄熱4週間、A型肝炎24時間など)の延期期間も重なる
基本ルール:帰国後4週間
日本赤十字社は「海外旅行者および海外で生活した方」について、帰国(入国)日当日から4週間以内は献血をご遠慮いただくと定めています。輸血を介した感染リスクを減らすためで、渡航先や滞在日数は関係ありません。1泊2日の韓国旅行でも、ハワイの新婚旅行でも、帰国後4週間は献血できません。「4週間」は帰国日を含めて数え、たとえば9月1日に帰国したら9月29日以降に献血できます。海外旅行の予定がある方は、出発前に献血を済ませておくのが確実です。この4週間ルールは、外国籍の方が来日した場合にも同じく適用されます(外国人の献血)。
地域別の早見表
| 状況 | 制限 |
|---|---|
| すべての海外渡航 | 帰国後4週間 |
| マラリア流行地への旅行 | 帰国後1年 |
| マラリア流行地に1年を超えて滞在 | 帰国後3年 |
| マラリア予防薬を服用 | 服用後3か月 |
| マラリアにかかったことがある | 問診で申告し健診医が判断 |
| 中南米で出生・育成、母または母方の祖母が中南米で出生・育成、中南米に連続4週間以上滞在・居住 | 対象国・地域を離れてから6か月未満は不可(シャーガス病対策)。感染既往があれば不可 |
| アフリカ居住歴があり、アフリカトリパノソーマ症の感染既往 | 不可 |
| バベシア症、リーシュマニア症の感染既往 | 不可 |
| 英国を含む欧州などの滞在歴(vCJD対策) | 2026年10月1日に撤廃。滞在歴だけを理由に献血を控えることはなくなった(2026年9月30日までは、国と時期により1か月〜6か月以上、最長5年以上の滞在で献血を控える場合があった)。帰国後4週間は他の地域と同じく適用(下記) |
| デング熱・ジカ・チクングニア・ウエストナイル熱にかかった | 治癒後1か月〜6か月(蚊・ダニと献血) |
マラリア流行地とは
アフリカのサハラ以南、東南アジアの一部、南アジア、中南米の一部、オセアニアの一部など、熱帯・亜熱帯の広い地域が含まれます。同じ国でも都市部は流行地に含まれず、地方や国境地帯だけが対象という場合があるため、「どこに、いつ、何日滞在したか」を問診で正確に伝えることが大切です。マラリアは感染してから発症までに時間がかかり、無症状で原虫を保有している期間があるため、旅行者は1年、長期滞在者は3年という長い期間が設けられています。
中南米(シャーガス病)の制限
シャーガス病は中南米に分布する寄生虫による感染症で、輸血で感染する可能性があるため、日本赤十字社は次のいずれかに該当し、対象国・地域を離れてから6か月未満の方の献血を控えています。①中南米で出生・育成した、②母親または母方の祖母が中南米で出生・育成した、③中南米に連続4週間以上滞在・居住した。①②は本人の渡航歴ではなく出身に関する条件で、母子感染の可能性を考慮したものです。感染既往がある場合は献血できません。
英国・欧州の滞在歴(vCJD対策)は2026年10月1日に撤廃
変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)が輸血で伝播する可能性があるため、1980年以降に英国や欧州諸国に一定期間滞在した方の献血が制限されてきました。期間は国と滞在時期によって異なり、英国の基準は1999年に「6か月以上」で始まり、2005年に「1日以上」へ強化、2010年に「1か月以上」へ緩和されるなど、細かく見直されてきました。
2026年1月14日の薬事審議会血液事業部会安全技術調査会で撤廃が適当との方針が示され、日本赤十字社は2026年9月14日のプレスリリースで2026年10月1日からこの制限を撤廃すると発表しました。2026年9月30日までは対象の地域・期間の滞在歴があると献血を控えていただく場合がありましたが、10月1日からは欧州などの滞在歴だけを理由に献血できないということはなくなりました。
ただし、海外からの帰国日(入国日)当日から4週間以内の献血制限など、他の感染症対策や健康状態にもとづく基準は引き続き適用されます。欧州から帰国したばかりの方は4週間をあけてください。最終的な可否は当日の問診と健診医の判断です。CJDの診断歴や硬膜移植歴など、滞在歴とは別のCJD関連の条件も変わっていません(CJDと献血)。
渡航前のワクチンとの関係
海外渡航前に受けるワクチンにも延期期間があります。黄熱病ワクチンは生ワクチンで4週間、A型肝炎・狂犬病(予防)・日本脳炎・破傷風などの不活化ワクチンは24時間、B型肝炎ワクチンは2週間です。「出発前に献血しておこう」という場合は、ワクチンを打つ前に献血するか、必要期間をあけてから献血してください。マラリア予防薬を飲んだ場合は服用後3か月の制限が別にかかります(ワクチンと献血)。
ケース別の判断
問診での伝え方
問診票では海外渡航歴を聞かれます。「国名、地域(都市か地方か)、滞在した時期と日数、予防薬の有無」を伝えれば、健診医が該当する制限を判断します。渡航歴を正直に答えないと、検査で見つけられない感染症のリスクが患者さんに渡ります。日本赤十字社は事実と異なる回答が輸血患者に深刻な状況をもたらす場合があると明記しています(問診で聞かれること・献血できる条件の一覧)。
よくある質問
Q. 海外旅行のあと、いつから献血できますか?
A. 帰国(入国)日当日から4週間以内は献血をご遠慮いただきます。4週間を過ぎれば献血できます。マラリア流行地などは追加の制限があります。
Q. ハワイやグアム、韓国への短期旅行でも制限されますか?
A. はい。マラリア流行地でなくても、帰国後4週間は一律で献血を控えます。滞在日数は関係ありません。
Q. マラリア流行地に行った場合は?
A. 旅行者は帰国後1年、1年を超える長期滞在者は帰国後3年、予防薬を服用した場合は服用後3か月献血できません。
Q. 中南米に滞在した場合は?
A. 連続4週間以上の滞在・居住や、中南米での出生・育成、母や母方の祖母が中南米出身の場合、対象地域を離れてから6か月未満は献血できません(シャーガス病対策)。
Q. 昔イギリスに住んでいました。献血できますか?
A. 2026年10月1日から献血できるようになりました。英国を含む欧州などの滞在歴にもとづくvCJD対策の献血制限は、同日に撤廃されています(9月30日までは対象地域・期間の滞在歴で献血を控える場合がありました)。ただし帰国日当日から4週間以内の制限など他の基準は残り、最終的な可否は当日の問診と健診医の判断です。
Q. 海外旅行の前に献血しておけますか?
A. できます。出発前に献血を済ませておくのが確実です。ただし渡航前のワクチン(黄熱4週間、A型肝炎24時間など)の延期期間には注意してください。
- 日本赤十字社「海外旅行者および海外で生活した方」(確認 2026/09/05)
- 日本赤十字社「よくあるご質問」(確認 2026/09/05)
- 日本赤十字社 プレスリリース「英国を含む欧州などの滞在歴に基づく献血制限の撤廃およびヒト胎盤エキス(プラセンタ)注射剤使用歴に関する献血基準を変更します」(2026年9月14日)(確認 2026/10/10)
- 日本赤十字社「欧州等滞在歴に係る献血制限の見直しについて」(確認 2026/10/10)
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