自己血輸血とは?「自分の血で手術する」仕組み
公開 2026/08/22
「手術の前に自分の血を貯めておく」——献血とよく混同されるけれど、まったく別の仕組みです。
自己血輸血とは
自己血輸血は、患者さん自身の血液を採取して、その患者さん自身の手術で使う輸血法です。厚生労働省の「輸血療法の実施に関する指針」は、院内での実施管理体制が適正に確立している場合、他人の血液(同種血)輸血の副作用を回避し得る「最も安全な輸血療法」であり、待機的手術(予定手術)で積極的な推進が求められるとしています。
3つの方式
- 貯血式:手術前にあらかじめ自分の血液を採血し、保存しておく。
- 希釈式:手術開始直前に採血し、代わりに人工膠質液を輸注する。
- 回収式:手術中・手術後に出血した血液を回収して戻す。
特に、まれな血液型の方や不規則抗体を持つ方(適合血が見つかりにくい方)には積極的な適応となります。
献血との違い
- 誰のための血か:献血は見知らぬ患者さんのため/自己血は自分自身の手術のため。
- 誰が採るか:献血は日本赤十字社の血液センター/自己血は手術を行う医療機関。
- 献血のルールとの関係:輸血歴があると献血できませんが、自己血輸血は「他人の血を受けた」ことにならないため、この制限の対象外です(輸血歴と献血)。
自己血だけでは足りない場面もある
緊急の大量出血や、貯血する時間のない手術では、やはり献血由来の血液が頼りです。自己血輸血と献血は、対立するものではなく補い合う関係にあります。
🩸 近くで献血できる場所を探す
よくある質問
Q. 自己血輸血をすると献血できなくなりますか?
A. なりません。輸血歴による献血制限は他人の血液を受けた場合の話で、自己血輸血は対象外です。
Q. 自己血輸血は誰でもできますか?
A. 手術の内容・患者さんの状態・医療機関の体制によります。予定手術の場合に主治医と相談して決まります。
📚 この記事の主な根拠(内容確認日 2026/08/22)
※本記事は日本赤十字社・厚生労働省などの公開情報にもとづいています(ページ生成 9/1)。採血基準や延期期間は改定されることがあり、献血の最終的な可否は当日の会場で健診医が判断します。最新情報は日本赤十字社・ラブラッドでご確認ください。
関連ガイド
- 輸血を受けた人はなぜ献血できない?期限なしルールの理由
- まれな血液型(稀血)とは?頻度1%以下・凍結10年保存の世界
- 献血された血液はどう使われる?輸血と有効期間
- 血液の有効期間は赤血球28日・血小板6日|献血が毎日必要な理由