骨髄バンクと献血の違い|献血のついでに2mLでドナー登録できる
公開 2026/08/22・更新 2026/09/05
- 献血:血液そのものを提供、輸血や薬の原料にその場で役立つ。骨髄バンク:造血幹細胞を提供する意思の登録。登録=すぐ提供ではない
- 登録条件(日本骨髄バンク):18〜54歳、健康状態が良好、体重男性45kg・女性40kg以上、提供の内容を理解していること
- 登録は約2mLの採血・15分・無料。献血ルーム・血液センター・献血バス・一部の保健所で。献血と同時なら追加の針は不要
- HLA型が適合する確率は数百〜数万分の1。登録者が多いほど患者がドナーに出会える確率が上がる
- 適合の連絡が来ても、家族と相談して断ることができる。提供は骨髄採取(入院・全身麻酔)か末梢血幹細胞採取
献血と骨髄バンクの違い
| 献血 | 骨髄バンク(ドナー登録) | |
|---|---|---|
| 提供するもの | 血液(赤血球・血小板・血漿) | 造血幹細胞(血液のもとになる細胞) |
| いつ役立つか | その場で採血し、数日後には患者さんに | 登録後、HLA型が適合する患者さんが現れたときに提供を決める |
| 対象の患者さん | 手術、出血、がん治療など幅広い | 白血病、再生不良性貧血など、造血幹細胞移植が必要な患者さん |
| 年齢 | 16〜69歳(種類による) | 登録18〜54歳。提供は20〜55歳 |
| 当日の負担 | 採血10〜90分 | 登録は2mLの採血・15分。提供時は入院を伴う |
| 運営 | 日本赤十字社 | 日本骨髄バンク(公益財団法人)。登録受付は日本赤十字社が協力 |
登録=すぐ提供ではありません。適合する患者さんが現れて初めて、提供するかどうかの意思確認が行われます。
ドナー登録の条件(日本骨髄バンク)
- 年齢:18歳以上54歳以下で健康状態が良好な方(提供できるのは20〜55歳)
- 体重:男性45kg以上/女性40kg以上
- 骨髄・末梢血幹細胞提供の内容を十分理解していること
献血の採血基準と似ていますが、骨髄バンクには独自の健康基準があり、登録時の問診で確認されます。輸血歴のある方、一部の病気の既往のある方は登録できません。詳しい基準は日本骨髄バンクの公式サイトで公開されています。
登録は「2mLの採血・15分・無料」
登録は腕の静脈から約2mLを採血してHLA型を調べるだけ。所要は15分程度で、費用はかかりません。登録窓口は献血ルーム・血液センター・献血バス・一部の保健所など。献血とあわせて協力する場合は、献血の検査用採血のときに一緒に採ってもらえるので、追加で針を刺す必要すらありません。登録の前に、提供の内容(入院を伴う採取、まれな合併症など)を説明した資料を読み、理解したうえで申込書に記入します。登録後、HLA型が判明すると登録確認証が届きます。
適合の連絡が来てからの流れ
- 適合通知:患者さんとHLA型が一致すると、骨髄バンクから連絡が届く。この時点で提供するかどうかを検討し、家族と相談する。
- 確認検査:提供の意思があれば、より詳しいHLA検査と健康診断のための採血。
- 最終同意:医師の説明を受け、家族の同意も得て、最終的に提供を決める。ここで同意すると、患者さんは移植に向けて前処置(自分の骨髄を破壊する治療)に入るため、以降の撤回は患者さんの命に関わる。
- 採取:骨髄採取(全身麻酔で腰の骨から採取、3〜4日の入院)または末梢血幹細胞採取(薬で幹細胞を血液中に増やし、成分献血に似た装置で採取)。
- 提供後:数日〜数週間で体調は回復。採取した幹細胞は患者さんに移植される。
適合の連絡から採取まで、通常数か月かかります。健康診断や入院の費用は患者側の負担で、ドナーの自己負担はありません。休業補償の制度を設けている自治体や企業もあります。
「登録だけ」でも大きな意味がある
HLA型は数百〜数万分の1でしか一致しないため、登録者が多いほど患者さんがドナーに出会える確率が上がります。日本骨髄バンクの登録者は約55万人で、患者さんの多くは適合するドナーが見つかりますが、見つかっても連絡がつかない、健康上の理由で提供できない、といった理由で移植に至らないケースがあります。適合の連絡が来ても、その時点で家族と相談して断ることもできます。まずは登録して「選択肢を患者さんに増やす」ことが第一歩です。登録者数の目安は日本骨髄バンクの公表値で、時期により変動します。
提供を断ることについて
登録は提供の意思表示であって、義務ではありません。適合の連絡が来た時点で、仕事や家庭の事情、健康上の理由で断ることができ、理由を問われることもありません。ただし最終同意の後は、患者さんが移植に向けた前処置を始めるため、撤回は患者さんの命に関わります。「断れる期限」を理解したうえで、最終同意まで慎重に考える時間が用意されています。
年齢上限があるので早めに
登録は54歳まで、提供は55歳までで、55歳の誕生日を迎えると登録は自動的に取り消されます。興味がある方は早めの登録がおすすめです。次の献血の際に、受付で「骨髄バンクの登録もしたい」と伝えてみてください。登録の説明と申込書の記入で15分程度、採血は献血の検査用と一緒に済みます。会場は献血マップで探せます(初めての献血ガイド・HLA適合血小板献血との違い)。
さい帯血バンクとの違い
造血幹細胞移植のもう一つの選択肢に、出産時にへその緒と胎盤に残る血液(さい帯血)を使うさい帯血移植があります。さい帯血は出産のときにしか提供できず、公的さい帯血バンクに凍結保存されるため、骨髄バンクのようなドナーとの調整が不要で移植までが早いのが特徴です(さい帯血バンクとは)。
よくある質問
Q. 骨髄バンクの登録は献血のついでにできますか?
A. できます。献血ルーム・血液センター・献血バスなどが登録窓口で、献血と同時なら検査用採血のときに一緒に約2mLを採血します。所要15分程度・無料です。
Q. 登録したら必ず骨髄を提供しなければいけませんか?
A. いいえ。登録は提供意思の登録で、患者さんと型が適合した時点であらためて意思確認があり、家族と相談して断ることもできます。ただし最終同意の後の撤回は患者さんの命に関わります。
Q. 骨髄バンクに登録できるのは何歳までですか?
A. 18歳以上54歳以下で健康状態が良好な方です(体重は男性45kg以上・女性40kg以上)。提供は55歳までで、55歳の誕生日で登録は自動的に取り消されます。
Q. 提供はどうやって行いますか?
A. 骨髄採取(全身麻酔で腰の骨から採取、3〜4日の入院)か、末梢血幹細胞採取(薬で幹細胞を血液中に増やし、成分献血に似た装置で採取)のどちらかです。費用の自己負担はありません。
Q. HLA適合血小板献血の登録と同じですか?
A. 別です。HLA適合血小板献血は血小板の提供で通常の成分献血と同じ流れ、骨髄バンクは造血幹細胞の提供で入院を伴います。両方に登録できます。
Q. 輸血を受けたことがあっても登録できますか?
A. 輸血歴のある方は登録できない基準になっています。献血と同じく未知の感染症を排除する考え方です。詳しい基準は日本骨髄バンクの公式サイトで確認してください。
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