血液は何でできている?血漿55%・血球45%と4成分の役割
公開 2026/08/22・更新 2026/09/05
- 血液=血漿(液体)約55%+血球(細胞)約45%。血球は赤血球・白血球・血小板
- 赤血球:ヘモグロビンで酸素を運ぶ。寿命約120日。骨髄で作られ脾臓で壊される
- 白血球:細菌などを取り込み免疫で体を守る。血小板:傷ついた血管に集まり血栓を作って止血
- 血漿:栄養を各組織へ、二酸化炭素を肺へ運ぶ。アルブミン・免疫グロブリン・凝固因子などのたんぱく質を含み、薬(血漿分画製剤)の原料
- 成分の分業が、遠心分離による成分献血・成分輸血と、献血の検査結果(RBC・Hb・Ht・WBC・PLT)の意味を決めている
血液は「液体55%+細胞45%」
日本赤十字社「血液の基礎知識」によると、血液は体内で循環しているとき血漿(液体成分)が約55%、血球(細胞成分)が約45%です。血球はさらに赤血球・白血球・血小板に分かれます。採血した血液を試験管に入れて遠心分離すると、上に淡黄色の血漿、その下に薄い白い層(白血球と血小板)、下に赤い赤血球の層ができます。この「比重の違いで分かれる」性質が、成分献血と製剤化の基本原理です。血液に占める赤血球の容積の割合をヘマトクリット(Ht)と呼び、健康な成人で男性40〜50%、女性35〜45%程度です。
4つの成分の役割
| 成分 | 役割 | 数・大きさ(目安) | 作られる場所・寿命 |
|---|---|---|---|
| 赤血球 | 中にあるヘモグロビンが肺で酸素を取り込み、体の各部へ運ぶ。二酸化炭素の運搬も一部担う | 血液1μLに約400〜500万個。直径約8μmの円盤状で核がない | 骨髄で作られ、約120日で脾臓などで壊される。材料に鉄が必要 |
| 白血球 | 細菌などを取り込み(貪食)、抗体を作り、免疫のはたらきで体を守る | 血液1μLに約4,000〜9,000個。好中球・リンパ球・単球などの種類がある | 骨髄(リンパ球は一部リンパ組織)で作られ、種類により数時間〜数年 |
| 血小板 | 血管の傷ついた場所に集まって血栓をつくり、出血を止める。極端に減ると出血しやすくなる | 血液1μLに約15〜40万個。直径2〜3μmで核がない細胞のかけら | 骨髄の巨核球から作られ、寿命約10日 |
| 血漿 | 水分(約90%)に栄養・ホルモン・老廃物を溶かして各組織へ運び、二酸化炭素を肺へ運ぶ。アルブミン(浸透圧の維持)、免疫グロブリン(抗体)、凝固因子(止血)などの重要なたんぱく質を含む | 血液の約55%。たんぱく質は約7% | 水分は飲食で、たんぱく質は主に肝臓(免疫グロブリンは形質細胞)で作られる |
骨髄で血液が作られる仕組み
赤血球・白血球・血小板は、骨の中心にある骨髄で、造血幹細胞という1種類の細胞から分化して作られます。造血幹細胞は自分自身を複製しながら、赤血球系・白血球系・血小板系(巨核球)へと枝分かれし、成熟した血球を血液中に送り出します。赤血球は1日に約2,000億個、血小板は約1,000億個が作られ、寿命を終えた分と入れ替わっています。献血で失った成分もこの仕組みで補われ、赤血球の産生は腎臓が出すエリスロポエチンというホルモンで調整されます。白血病や再生不良性貧血はこの骨髄の造血が障害される病気で、骨髄移植やさい帯血移植は造血幹細胞そのものを入れ替える治療です(献血後、血液はいつ戻る?・骨髄バンクとは)。
この分業が「成分献血」を可能にした
血液が成分の集合体だからこそ、遠心分離で必要な成分だけをいただき、残りを体に返す成分献血が成り立ちます。血漿成分献血では血漿だけを、血小板成分献血では血小板だけを採り、回復に時間のかかる赤血球は体に戻します。だから成分献血は2週間後にまた献血できます。患者さんの側でも、必要な成分だけを輸血する「成分輸血」が現代の標準です。貧血には赤血球製剤、血小板減少には血小板製剤、凝固異常には新鮮凍結血漿と、必要なものだけを輸血することで、患者さんの体への負担を減らし、1回の献血を複数の患者さんに活かせます(成分献血と全血献血の違い・血が製剤になるまで)。
成分ごとの製剤と有効期間
| 成分 | 製剤 | 有効期間・保存 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| 赤血球 | 赤血球製剤 | 28日・2〜6℃ | 貧血、手術、出血 |
| 血小板 | 血小板製剤 | 6日・20〜24℃振とう | 白血病、がん治療、大量出血 |
| 血漿 | 新鮮凍結血漿、血漿分画製剤(アルブミン・免疫グロブリン・凝固因子) | 凍結1年。分画製剤は年単位 | 凝固異常、やけど、免疫の病気、血友病 |
| 白血球 | 原則として製剤にしない(保存前に除去) | — | 副作用の原因になるため除去。顆粒球輸血はごく限られた場合 |
白血球は輸血では「不要な成分」で、発熱反応などの原因になるため保存前に除去されます(白血球除去とは・血液の有効期間)。
検査結果の見方にもつながる
献血でもらえる検査結果の RBC(赤血球数)・Hb(ヘモグロビン)・Ht(ヘマトクリット=血液に占める赤血球の容積割合)・MCV(赤血球1個の大きさ)・WBC(白血球数)・PLT(血小板数)などは、まさにこの4成分の状態を表す数字です。ヘモグロビンが基準に届かなければ献血を見送るのは、赤血球(酸素を運ぶ成分)を分ける余裕がないからで、血小板献血に血小板数15万/μL以上の基準があるのも同じ理由です。「検査結果の見方」もあわせてどうぞ。
血液の量と献血
血液の量は体重の約13分の1(男性約8%・女性約7%)で、体重50kgなら約4L。400mL献血はその約1割で、循環血液量の15%以内なら循環動態に影響しないという知見の内側に設計されています(血液は何リットル?体重基準の理由)。
よくある質問
Q. 血液は何でできていますか?
A. 液体成分の血漿が約55%、細胞成分の血球(赤血球・白血球・血小板)が約45%です(日本赤十字社)。
Q. 赤血球の寿命はどのくらいですか?
A. 約120日です。骨髄でつくられ、脾臓などで壊されるまで体を巡り続けます。1日に約2,000億個が作られて入れ替わっています。
Q. 血小板の寿命はどのくらいですか?
A. 約10日です。骨髄の巨核球から作られ、出血を止める役割を担います。寿命が短いため製剤の有効期間も6日と短くなっています。
Q. 血漿には何が含まれていますか?
A. 約90%が水分で、栄養・ホルモン・老廃物のほか、アルブミン(浸透圧の維持)、免疫グロブリン(抗体)、凝固因子(止血)などのたんぱく質を含みます。血漿分画製剤の原料になります。
Q. なぜ成分献血ができるのですか?
A. 血液が比重の異なる成分の集合体で、遠心分離で分けられるからです。必要な成分だけを採り、赤血球を体に戻すため、2週間後にまた献血できます。
Q. 白血球は輸血に使われますか?
A. 原則として使われません。発熱反応などの副作用の原因になるため、製剤の保存前に除去されます(LR)。顆粒球輸血はごく限られた場合に行われます。
次にすること
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