病歴があると献血できない?——病気別の公式基準まとめ
公開 2026/08/22
大前提:献血者自身を守るための基準
厚生労働省の問診票解説によると、血液疾患・心臓病・脳卒中・てんかん等は「採血の際に副作用が起きたり、献血者の健康に悪影響を与えるおそれがあるため」ご遠慮いただいています。血を分けても大丈夫な体かどうか、が判断の軸です。
がん(悪性腫瘍):治癒後5年で道がある
日本赤十字社の公式ページでは、「治療中の方、治癒後5年経過していない方」が献血をご遠慮いただく対象です。つまり治癒から5年を過ぎれば、献血できる可能性があります。ただし白血病などの造血器腫瘍の既往がある方は、経過良好でも献血できません(血液そのものの病気のため)。既往の内容と経過を問診で伝え、健診医の判断を仰ぎましょう。
心臓病
心筋梗塞・狭心症の既往、弁膜症、心筋症、治療を必要とする不整脈のある方が対象です。採血による急激な血流変化が悪影響を与えると予測されるためです。リウマチ熱で心障害の疑いがある方も含まれます。※健診時の不整脈の指摘だけで治療不要とされている場合など、判断が分かれるケースは問診で相談を。
脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)
現在異常がなくても、原因となった病気(動脈硬化など)と採血の影響を考慮してご遠慮いただいています。一過性脳虚血発作(TIA)も同様です。
てんかん(けいれん性疾患)
採血中の発作による事故を防ぐため、ご遠慮いただいています。抗けいれん剤でけいれんが抑えられている方も対象です。「発作が◯年なければ可」という期間基準は日本の公式情報には示されていません。失神を起こしたことのある方も同様の扱いです。
血液疾患
血友病・紫斑病などの出血性素因、再生不良性貧血、白血病、真性多血症などの方、重症貧血にかかったことのある方はご遠慮いただいています。
そのほか知っておきたいこと
- 梅毒:治癒していても献血はご遠慮いただくとされています。
- ぜんそく・糖尿病・アトピーなどは「持病と献血」で解説しています。
- ここに書いた基準は原則です。個々の病状・治療歴による最終判断は当日の健診医が行います。当日ご遠慮になっても、それは失敗ではありません。
よくある質問
Q. がんの経験があると一生献血できませんか?
A. 一律ではありません。日本赤十字社の公式基準では、治療中と治癒後5年以内はご遠慮いただきますが、治癒後5年を経過すれば献血できる可能性があります。ただし白血病などの造血器腫瘍の既往がある方は経過良好でも献血できません。
Q. てんかんは薬で発作が止まっていれば献血できますか?
A. できません。抗けいれん剤でけいれんが抑えられている方も、採血の影響を考慮してご遠慮いただくのが公式基準です。
Q. 健康診断で不整脈を指摘されただけでもダメですか?
A. 対象は「治療を必要とする不整脈」です。治療不要とされている場合は、問診でその旨を伝えて健診医の判断を仰いでください。