手術後はいつから献血できる?手術の種類別・輸血を受けた場合
公開 2026/08/22・更新 2026/10/11
- 開胸・開腹・開頭を要する大きな侵襲を伴う手術:治療後6か月(厚生労働省の健康診断通知)。開放骨折も6か月(厚労省の問診票解説)
- 骨折:完治まで不可。プレート・ボルトなど人工物を入れた場合は術後6か月(血液センターの案内)
- それ以外の手術(日帰り、内視鏡、小さな切除など):種類と時期で個別判断。問診票の「1年以内の外傷・手術」欄に申告
- 手術で輸血を受けた場合:期間の定めなく献血不可(自己血輸血は除く)
- 帝王切開は産後6か月の妊娠・出産ルールが適用。抜歯など出血を伴う歯科治療は3日
手術後の献血、まず結論
| 受けた手術・処置 | 献血できるまで |
|---|---|
| 開胸・開腹・開頭を要する大きな手術 | 治療後6か月 |
| 開放骨折 | 6か月 |
| 骨折(プレート・ボルトなど人工物あり) | 完治していること、かつ術後6か月 |
| それ以外の手術(腹腔鏡、日帰り手術、内視鏡など) | 公式に一律の期間はありません。種類と時期、回復状況で健診医が判断 |
| 手術中・術後に他人の血液の輸血を受けた | 手術の種類や経過年数にかかわらず献血できない(自己血輸血は除く) |
| 臓器移植、他人由来の細胞を使う再生医療 | 献血できない |
日本赤十字社は、最終的な献血可否は「疾患や手術などの治療状況、服薬の内容なども併せて、当日の献血会場の健診医師が総合的に判定」するとしています。手術を受けた方は、手術名・時期・輸血の有無・現在の通院状況を問診で伝えてください。
大手術・開放骨折は「6か月」
厚生労働省の健康診断の通知(血液法にもとづく問診の方法)は、「開胸・開腹・開頭を要する大きな侵襲を伴う手術を受けた場合は、治療後6月が経過していること」を献血の条件にしています。同じ通知で、外傷の既往がある場合は「治癒していること」も条件です。厚生労働省の問診票解説には「開胸・開腹・開頭を要するような大手術を受けた人及び開放骨折をした人は、6ヵ月間献血を御遠慮いただいています」と明記されています。体への負担が大きい手術のあとは、回復に十分な期間をとる設計です。開放骨折は骨が皮膚を突き破って外に出る骨折で、感染のリスクと体への負担が大きいため大手術と同じ扱いになっています。
骨折は「完治まで」・人工物を入れたら「術後6か月」
血液センターの案内では、骨折が完治していない間は献血できず、プレートやボルトなど人工物を入れた場合は術後6か月間ご遠慮いただくとされています。ギプスが取れても通院中なら、問診で経過を伝えて判断を仰ぎましょう。なお、完治後の人工関節や体内金属そのものを理由に献血できないとする公式記載は確認されていません。治り切っていれば道は開けています。
手術の種類別の考え方
| 手術・処置 | 目安 |
|---|---|
| 開胸手術(心臓、肺)、開腹手術(胃、腸、肝臓、子宮など)、開頭手術 | 6か月。原因の病気(心臓病、がんなど)による制限も別に適用 |
| 腹腔鏡・胸腔鏡手術(胆のう摘出、虫垂炎、子宮筋腫など) | 公式に個別の記載はありません。腹腔内・胸腔内の手術として問診で申告し、回復状況で健診医が判断。期間が気になる場合は事前に血液センターへ確認を |
| 日帰り手術(鼠径ヘルニア、痔、ほくろ切除、皮膚腫瘍など) | 種類と時期で個別判断。傷が治り、抗生剤の服用が終わって3日以上たってから問診で相談 |
| 内視鏡的処置(大腸ポリープ切除、胃の粘膜切除) | 出血を伴う処置として申告。病理結果が出て問題なく、傷が治ってから。なお胃カメラなどの内視鏡検査だけでも、検査当日の献血は控え、翌日以降に(日本赤十字社Q&A)。悪性腫瘍を想定した検査は結果が出るまで控える |
| 帝王切開 | 出産として産後6か月は不可。授乳中は産後1年(妊娠・出産と献血) |
| 抜歯、歯科口腔外科の手術 | 出血を伴う歯科治療として治療日を含む3日。大がかりな手術は状態で判断(歯科治療と献血) |
| レーシック、白内障手術 | 公式に個別記載なし。術後の回復と点眼薬の内容を問診で伝える |
| 整形外科の関節鏡手術、靭帯再建 | 手術として申告。完治と人工物の有無で判断 |
| 美容外科手術(二重、鼻、脂肪吸引など) | 手術として種類と時期で判断(美容医療と献血) |
| 臓器移植 | 期間の定めなく献血不可(輸血歴・臓器移植歴と献血) |
輸血を受けた手術は別ルール
手術中や術後に他人の血液(赤血球製剤、血小板、新鮮凍結血漿など)の輸血を受けた場合は、手術の種類や経過年数にかかわらず献血できません。日本赤十字社は「輸血(自己血輸血を除く)や臓器移植を受けたことのある方は、現在の検査法では検出できない未知のウイルス感染の可能性が考えられるので、献血をご遠慮いただいています」と説明し、「あくまでも輸血の安全性を可能な限り高めることを考えてのこと」としています。手術前に自分の血液を貯めておく自己血輸血は対象外です。厚生労働省の通知も、輸血・移植医療・再生医療等製品・他人由来の細胞加工物(同種由来の特定細胞加工物)の投与を受けていないことを条件にしています。
大きな手術で輸血を受けたかどうかわからない場合は、手術を受けた医療機関に確認してください。問診票にも「今までに輸血(自己血を除く)や臓器の移植を受けたことがありますか」という質問があります。アルブミンや免疫グロブリンなど、輸血以外の血液由来の薬(特定生物由来製品)を使った場合は、薬ごとに延期期間が決まっています(例:アルブミン・免疫グロブリンは3か月。岩手県赤十字血液センターの表)。
全身麻酔・薬の影響
- 全身麻酔そのものによる献血制限の公式記載はありません。麻酔を要する手術の種類と回復状況で判断されます。
- 術後の抗生剤:最終服薬日を含む3日間は不可。
- 術後の痛み止め:当日服用していなければ全血・血漿は可。血小板献血は3日。
- 血栓予防の抗凝固薬:服用中は不可。
- 術後の貧血:出血の多い手術の後はヘモグロビンが回復するまで時間がかかる。当日の検査で基準に届かなければ見送り。
薬の詳細は「薬と献血の一覧」へ。
問診票の「1年以内の外傷・手術」欄
問診票では1年以内の外傷・手術を申告する欄があります。手術名、時期、輸血の有無、現在の通院状況を伝えれば、健診医が判断します。「小さい手術だから」と省略せず申告してください。手術の原因となった病気(がん、心臓病など)そのものの基準もあわせて確認されます(病歴別の基準・持病と献血)。
ケース別
あわせて覚えておきたい期間
当日見送りになっても、時期が来れば献血できます。判断に迷う手術歴があれば、事前に血液センターへ電話で確認しておくと安心です(献血できる条件の一覧)。
よくある質問
Q. 手術を受けたら6か月は献血できないのですか?
A. 6か月ルールが明記されているのは開胸・開腹・開頭を要する大手術と開放骨折です。それ以外の手術は種類や時期によって個別に判断されるため、問診で申告してください。
Q. 骨折してプレートを入れました。いつから献血できますか?
A. 血液センターの案内では、人工物を入れた骨折は術後6か月間ご遠慮いただくとされています。完治の状態もふまえて健診医が判断します。
Q. 人工関節が入っていると一生献血できませんか?
A. 完治後の人工関節・体内金属を恒久的な不可条件とする公式記載は確認されていません。術後の経過を問診で伝えて判断を仰いでください。
Q. 手術後はいつから献血できますか?
A. 開胸・開腹・開頭を要する大きな手術は治療後6か月、骨折は完治まで(人工物を入れた場合は術後6か月)が公式の目安です。それ以外の手術は一律の期間がなく、種類・時期・回復状況で健診医が判断します。輸血を受けた場合は献血できません。
Q. 腹腔鏡手術の後はいつから献血できますか?
A. 公式に個別の期間は示されていません。腹腔内の手術として問診で申告し、回復状況で健診医が判断します。気になる場合は事前に血液センターへ確認してください。
Q. 手術で輸血を受けたかどうかわかりません。
A. 手術を受けた医療機関に確認してください。他人の血液の輸血を受けた場合は献血できません。自己血輸血は対象外です。
Q. 全身麻酔の手術を受けました。麻酔が理由で献血できない期間はありますか?
A. 全身麻酔そのものによる献血制限の公式記載はありません。手術の種類と回復状況、術後に使った薬で判断されます。
Q. 胃カメラや大腸カメラの検査を受けた日に献血できますか?
A. 日本赤十字社は、内視鏡検査の当日は絶食や薬剤の影響で脱水や気分不良を起こしやすいため献血を控え、翌日以降にするよう案内しています。ポリープ切除などの処置をした場合や、要精検の判定が出た場合は問診で伝えてください。
Q. 手術で輸血を受けました。
A. 他人の血液の輸血を受けた方は、手術の種類や経過年数にかかわらず献血できません。自己血輸血は対象外です。
Q. 日帰り手術の後はどうですか?
A. 種類と時期で個別判断です。傷が治り、抗生剤の服用が終わって3日以上たってから問診で相談してください。
- 厚生労働省「問診票についての解説」(PDF)(確認 2026/10/11)
- 大阪府赤十字血液センター「献血いただく前にご確認ください」(確認 2026/10/11)
- 大阪府赤十字血液センター「よくあるご質問」
- 厚生労働省 通知(薬生発1031第3号・令和4年10月31日)(PDF)(確認 2026/10/11)
- 日本赤十字社「献血をご遠慮いただく場合」(確認 2026/10/11)
- 日本赤十字社「献血をご遠慮いただく場合(輸血・臓器移植など)」(確認 2026/10/11)
- 日本赤十字社「よくあるご質問」(確認 2026/10/11)
- 岩手県赤十字血液センター「薬の服用と献血ができるまでの期間」(PDF)(確認 2026/10/11)
- 日本赤十字社 血液事業本部「Hematologic and Biochemical Values in Blood Donors Annual Report 2023」(PDF)(確認 2026/10/11)
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