血液型と献血|すべての型が必要・「O型不足」の本当の意味
公開 2026/06/10・更新 2026/09/05
- 輸血は原則として同じ血液型で行う。すべての型が常に必要で、特定の型だけ献血すればよいわけではない
- 日本人の血液型はA型約4割・O型約3割・B型約2割・AB型約1割。需要も同じ比率で発生する
- 「○型が不足」は、その日・その地域の在庫が需要に対して少ない状態。ラブラッドの協力依頼で知らせが来る
- Rhマイナスは日本人の約0.5%。まれな血液型(稀血)は登録して要請に応える仕組みがある
- 献血すると血液型(ABO・Rh)が正式に判定され、ラブラッドで確認できる
すべての血液型が必要
輸血は原則として患者さんと適合する血液型の製剤で行われます(実際の選択は患者さんの状態・製剤・緊急性をふまえて医療機関が判断します)。A型の患者さんにはA型の赤血球製剤、というのが基本です。したがって、A・B・O・ABどの血液型も常に必要で、特定の型だけでなく、まんべんなく献血が集まることが大切です。なお同じ血液型でも輸血前には適合試験(クロスマッチ)が行われ、不規則抗体の有無も確認されます(血液型が同じでも輸血前に検査する理由)。
血液型の分布と需要
| 血液型 | 日本人の割合(目安) | 需要の考え方 |
|---|---|---|
| A型 | 約40% | 患者さんも約4割がA型。最も多く必要で、最も多く献血される |
| O型 | 約30% | O型の赤血球は緊急時に他の型にも使われることがあるため、需要が相対的に大きくなりやすい |
| B型 | 約20% | 需要も約2割 |
| AB型 | 約10% | 献血者が少ないため、在庫が変動しやすい。AB型の血漿は他の型にも使われることがある |
「O型が不足しやすい」と言われるのは、O型の赤血球が緊急輸血や血液型判定前の患者さんに使われることがあり、需要が分布以上に大きくなりやすいためです。一方、AB型は献血者そのものが少ないため、少しの需要の変動で在庫が薄くなります。どの型も「足りている日」と「足りない日」があり、固定的に不足する型があるわけではありません。
「○型が不足しています」の意味
血液センターは、赤血球製剤の有効期間が採血後28日、血小板製剤が6日と短いため、型別・種類別の在庫を毎日管理しています。特定の型の患者さんの大手術や大量出血が続くと、その型の在庫が需要に対して少なくなり、「○型が不足」の呼びかけが出ます。ラブラッドで献血協力のお願いを受け取る設定にしていると、自分の型が不足したときにメールやLINEで知らせが来ます。逆に、在庫が十分な型の献血者は、その日は成分献血(血漿は型別在庫に左右されにくい)や別日を案内されることがあります(血液不足なのに断られる理由・血液の有効期間)。
Rh型とまれな血液型
ABO型のほかにRh型(D抗原の有無)があり、Rhマイナスの人は日本人の約0.5%(200人に1人)です。Rhマイナスの患者さんには原則Rhマイナスの製剤が必要なため、Rhマイナスの方の献血は貴重です。さらに、頻度1%以下の「まれな血液型(稀血)」の方は、血液センターに登録すると、適合する患者さんが現れたときに協力要請の電話が来る仕組みがあります。まれな血液型の赤血球は凍結して長期保存されることもあります(まれな血液型(稀血)とは・献血後に血液センターから電話)。
自分の血液型は献血でわかる
献血の受付後に血液型の事前検査があり、献血後には赤血球を調べる「おもて検査」と血清を調べる「うら検査」でABO型が正式に判定され、Rh型も確認されます。結果はラブラッドの献血記録で確認できます。「親から聞いた血液型」「赤ちゃんのころの検査」が実は違っていた、という人もいます。血液型を知らなくても献血はでき、むしろ正確に知るよい機会です(血液型はいつわかる?)。
血液型と献血の種類
- 赤血球製剤:型が最も厳密に問われる。全血献血が主な供給源。
- 血小板製剤:ABO型を合わせるのが原則だが、緊急時は異なる型が使われることもある。血小板献血が主な供給源。
- 血漿製剤・血漿分画製剤:新鮮凍結血漿はABO型を合わせるが、AB型の血漿はどの型にも使える。血漿分画製剤(アルブミンなど)は型を問わない。
「自分の型は今日は足りている」と言われた日でも、血漿献血なら協力できることが多いのはこのためです(血漿献血とは・血液製剤の種類)。
血液型にまつわる誤解
- 「O型は万能だから献血の価値が高い」:緊急時の使い道は広いが、平常時はO型の患者さんに使われる。どの型も同じ価値。
- 「AB型は需要が少ないから献血しなくていい」:献血者が少ないため在庫が薄くなりやすく、AB型の血漿はすべての型に使える。
- 「血液型で性格が決まる」:科学的根拠はなく、献血とも関係ない。
- 「輸血で血液型が変わる」:赤血球輸血で一時的に混ざることはあるが、本人の型は変わらない(造血幹細胞移植は例外)。
あなたの血液型がどれであっても、献血は誰かの役に立ちます。近くの会場は献血マップから探せます。
よくある質問
Q. O型が不足しているからO型だけ献血すればいい?
A. いいえ。輸血は原則として適合する血液型で行われるため、すべての血液型が常に必要です。「不足」はその日・その地域の在庫の話で、固定的に不足する型はありません。
Q. 献血すると自分の血液型は分かりますか?
A. 分かります。献血後におもて検査・うら検査でABO型が正式に判定され、Rh型も確認されます。ラブラッドの献血記録で確認できます。
Q. 血液型を知らなくても献血できますか?
A. できます。献血の検査で判定されるので、正確に知るよい機会です。
Q. Rhマイナスです。献血の価値はありますか?
A. とても貴重です。日本人の約0.5%で、Rhマイナスの患者さんには原則Rhマイナスの製剤が必要です。まれな血液型の登録制度もあります。
Q. 自分の型が足りていると言われました。
A. その日はその型の赤血球在庫が十分ということです。血漿献血は型別在庫に左右されにくいため、成分献血や別日を案内されることがあります。
Q. AB型の献血は必要ですか?
A. 必要です。献血者が少ないため在庫が変動しやすく、AB型の血漿はどの型の患者さんにも使えます。
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